2019/07/22(月)第9期【聚正義塾】第6回講座『後継者の為の会計講座 ~健康な会社を目指すマネジメント・アカウンティング~』を実施しました

第9期『聚正義塾』第6回講座(2019年7月16日(火)開催)は、田中靖浩公認会計士事務所 所長 田中 靖浩氏を講師に迎え、「後継者の為の会計講座 ~健康な会社を目指すマネジメント・アカウンティング~」を実施しました。

◇講座内容
健康な会社を目指すマネジメント・アカウンティング
  • 利益計画に必要な管理会計の知識
  • プライシングに必要なマーケティング・心理学の視点
>>受講生の各班ごとのレポートを文末に掲載しています。


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◇受講生の報告
1班
・前回の復習
フロートストック(点と線)、P/LとC/Sの違い(進化と原点回帰)について

・利益をめぐる「上から5行」の重要性
利益は、売上高のみではなく、売上原価、販間費をどれだけ抑えることができるのかが重要。実際のコストと標準のコストでは、ズレが生じるため、原価計算は、利益確保の重要な役割を成している。

・キャッシュフロー計算書から経営を読む
営業収支、投資収支、財務収支に分けられ、営業収支は、主に、本業、投資収支は、将来のための投資(設備、M&A)、財務収支は、借り入れと返済及び配当支払いである。重要なことは、3つのバランス。
また、ダイエー、イトーヨーカドー、イオンを例にとり、グループディスカッションを行った。イトーヨーカドーは、保守的な経営に対し、イオンは、攻めの経営を行っていたことを数字から読み取った。

・変動費と固定費
マクドナルドを例にとり、グループディスカッションを行った。(値下げによる販売数量がどのくらい変わるのか。)
値下げ戦略の条件として、コストに占める変動費が少ないこと(固定費体質)、値下げによって販売数量が大幅に増加することなどが挙げられた。

・プライシングの重要性と行動経済学の登場
フレーミング効果、アンカリング効果

全4回中の最終回を受講いたしまして、会計は数字だけを見るのではなく、歴史、世界史を通じた視点からみることで、会計の面白さ、楽しさを感じることが出来た。
今後の原価計算、会計、自社にも生かせる濃い内容でした。

2班
キャッシュフロー表から経営を読み解くべきポイントが分かりました。
イオン型の攻めの姿勢で、最初の方は投資をし、営業収支を増やし、営業収支が伸びてきたら、投資を抑え、財務収支を増やして行く戦略はギャンブル的で、面白い戦略だと思いました。ただ、営業収支、投資収支、財務収支のバランスが重要という事は覚えていないといけない事です。

19世紀アメリカから始まった原価計算。
リーランド・スタンフォードによる大陸横断鉄道会社により、昨今の製造業の製品の作り方の分業制を行い、仕事の提議をしっかり落として、大量生産が体制を作った事は、製造業の企業に取っては重要な事だと思います。

ドンキーホーテ式に値下げをして売上を上げる戦略と、外資企業のように、付加価値をつけて単価を上げる戦略のどっちがいいかは、田中先生は後者の付加価値をつけて単価を上げる戦略だと言っていた。

最後に、会計の勉強をすることがほとんどなかったので、会計史を交えてわかりやすく4回の講義を行って頂きました田中先生に感謝致します。

3班
1.キャッシュフロー計算書から経営を読む
2.経営者に必要な管理会計の知識

キャッシュフロー表から経営を読み解くべきポイントが分かりました。
売り物がなくなって倒産したダイエー型、高い自己資本比率を保守するヨーカドー型、積極的に投資を行って回収していくイオン型。営業収支、投資収支、財務収支のバランスが経営に大きく左右します。

19世紀アメリカから始まった原価計算。
リーランド・スタンフォードによる大陸横断鉄道会社による同時多発的に広がった都市の誕生、誰でも出来る仕事の分業化や能率主義化を提唱したテイラーやカーネギーによって原価計算が始まりました。標準と実際の原価計算で経営には欠かせない予算計画、マクドナルド100円バーガーの成功例、プライシングの重要性などを学びました。

値下げ競争に走る日本企業と付加価値を付けて簡単に値段を下げないグローバル企業。
日本が歩むべき道は後者であってほしいと田中先生のお言葉が印象に残りました。

4班
(1)本日のキーワード「開き直る」 上司(社長)としての心構え。

(2)前回までのおさらい⇒会計の発展の歴史
 イタリア(帳簿:自分の為)⇒イギリス(財務会計:人の為)⇒アメリカ(管理会計:自分の為)

(3)テキストP7 ~キャッシュフロー計算書~
 ⇒中小企業は義務ではないが、出した方がよい(将来の見通し予測)
 例でダイエー・イトーヨーカドー・イオンの2001~2004年から経営を読む。
 (ヨーカドー型経営=儲けの範囲で回す=保守的)

(4)管理会計の始まり ~発展~
 ⇒英国の鉄道=膨大な投資、利益すぐ出ない⇒原価償却の考え方が誕生
 ⇒米国の鉄道=東西つなぐ鉄道 ~各都市結ぶ鉄道、同時多発的に誕生
  ゴールドラッシュ、大量の質の悪い移民、最適な働かせ方の模索。
  →分業化、標準化、機械化【原価計算の誕生】→鉄道から自動車へ
   (カーネギー、エジソンなど著名経営者は全て鉄道出身)

(5)テキストP8 ~管理会計の知識(マッキンゼー提唱:100年前)
 ※中小企業は予算管理というより最低ラインを出しておくだけで良い。
 マック値下げ戦略(210円⇒190円:大失敗。100円=大成功2000%増)
 ⇒管理会計で、科学的に事前に趣味レーション出来た結果。

(6)テキストP9 ~これからは「プライシング」高付加価値化の思考
 日本の違い。日本=値下げ消耗戦(吉野家)、米国=高価格高満足(スターバックス)
 ⇒心理学を応用して周到に寝られた戦略。ステーキ店の例


・今回で、4回連続講座の最終回となるので、おさらいと統括。

・一般的なB/SやP/Lを見ても、会計の過去だけで将来は見えてこない。
 ⇒管理会計、キャッシュフロー計算書こそ、経営者が見るべきヒントがある。

・理想型:Ⅰ営業収支(大)、Ⅱ投資収支(小)、Ⅲ財務収支(任意) 
 ⇒10年、20年先を見据えて自分に投資しているか?

・米国ゴールドラッシュより学ぶ(リーランド・スタンフォード、リーバイス等)
 ⇒設けるには、人よりちょっと遅れて、群がる人を相手に商売する。

・米国:標準化マニュアル好き、英国:職人が全て仕上る。(現代も根本は継続)
⇒私が学生時代に学んだ、米国フォード量産化と英国バックヤードビルダーの自動車業界の歴史そのもので、まさかそれが会計の世界とつながるとは、驚きました。
総じて、会計の世界に興味を持つことが出来るようになり、とても意義のある講座だったと感じました。
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