2009/09/14(月)【平成21年8月講座】「社員と共に成長し続ける企業を目指す」

〔記録者〕4班 早川洋子
【日 時】平成21年8月20日(木)18:00~
【場 所】上尾市商工会議所 大会議室
【講 師】日本電鍍工業(株) 代表取締役 伊藤麻美氏
【テーマ】「社員と共に成長し続ける企業を目指す」

2009年8月講座の模様-1

 講師の伊藤氏は大学を卒業後、FMラジオ・TVなどでパーソナルティーとして活躍され、その後、アメリカに留学し、宝石鑑定士・鑑別士の資格を取得。帰国後の2000年、日本電鍍工業の代表取締役に就任。
メッキ会社の社長さんとしては、異色の経歴をお持ちの方でした。

2009年8月講座の模様-2

 伊藤氏は、まさか自分が父の後を継いで社長になるとは想像してなく、にもかかわらず、倒産してしまいそうな会社の社長になられたのか。
そこには「父の会社を再建したい」と強い思いがあり、また、初めて会社に関わりを持ち社員と接していくうちに、社員の家族が見えてきて「なんとかしなければ、社員と家族が路頭に迷ってしまう」と、それがきっかけで会社を継ごうと思われたそうです。

 経営も分からなく、社長の仕事が何なのか分からない中、まずは、自分のできることから始めようと、まずは、毎朝、会社に行ったら全社員に自分から挨拶をすること。そして、お掃除も自分からやる。そこから始められたそうです。

 毎日、自分から挨拶をすることで、挨拶をしてくれなかった社員が挨拶をしてくれくように変わっていったと。
社員の方は職人気質で長年勤めている方が多く年上ばかり。偉そうに言ってもダメだ。同じ目線で一緒にやっていこうと思い、業績をオープンにし、ミーティングを頻繁に行うなどして、社員ひとり一人が自分も業績に関わっているのだと意識を持ってもらえるようにしていった。

 ある朝、社員に「社長に話があります。」と真剣な顔で呼び出され、行ってみると、クラッカーがポンポン鳴って、「社長、お誕生日おめでとう!」と。社員を一緒に働く仲間として思う気持ちと、再建にがんばっている社長の姿が社員のみなさんに分かってもらえたのだなぁと思いました。

2009年8月講座の模様-3

 現在でも、トップダウンの経営はしたくないと、何をするにも社員の意見を聞いて、みんなで決めていく。社員とは年に1回、1対1で話す機会を設け、仕事のことからプライベートな相談にものっているそうです。

 企業の再建の取り組みとして、自社でホームページの立ち上げをおこない、ホームページを開設したことによって、仕事の依頼があり、めっきの新しい分野へ挑戦をすることに。

 それが成功したことで、億単位の借入れがあった赤字会社を、現在は黒字に変え、企業の再建を進めています。伊藤氏は社員に「やってみなければわからない」「できないことは世の中にない」と気持ちでがんばれば絶対にいい結果に繋がっていくと話していたそうで。「できない」と言っていた社員が「そうかな、できるかなぁ」に変わって「やってみよう」と。意識改革が再建に繋がったのだと。

 伊藤氏は御両親から受け継がれたスピリットにしなやかさを持ったすてきな女性でした。お話を伺う機会に恵まれたことに感謝いたします。

2009年8月講座の模様-4
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