2012/03/06(火)【2012年2月講座】瀬能和彦氏『アカデミックディベートの定義と実践』
【場所】上尾商工会議所 大会議室
【講師】日本ディベート協会 理事 瀬能和彦氏(ThinkHard代表)
【テーマ】ディベート入門
【記録者】(株)大塚 渡辺健治
今回の講師は、日本ディベート協会理事 瀬能 和彦氏です。
ディベートの初心者向けに、理論編として教育ディベート(アカデミック・ディベート)の定義から実践編としてミニディベート(試合)まで、とても丁寧に教えていただきました。
◆理論編
アカデミック・ディベートの具体的な教育効果
1.考える力
論理的思考力
瞬発的思考力
批判的思考力(クリティカル・シンキング)
2.聴く力…問題意識を持って聞く能力
3.伝える力…聴衆に適応して話す力
4.情報の収集、活用能力…証拠資料収集のためのリサーチと試合での活用
アルビン・トフラーの「第3の波」を取り上げ、現代の情報過多社会の中では、真の情報を見極め、信頼できる情報を取捨選択する技術が必要となるという。その技術こそが「考える力」のクリティカル・シンキング(批判的思考)です。
クリティカル・シンキングとは、「ある主張を鵜呑みにせず、その真偽を、根拠を厳しく吟味することで、正しく判断する思考法」のこと。
より良い議論をするため、クリティカル・シンキングを身につけるには、以下の3つのこと頭に置いてものごとを考える。
1.What? …相手の主張は何なのか?
2.Why? …どうしてそう言えるのか?
3.So what? …それがどうした?だから何なのか?
◆実践編
試合形式の説明
1.立論…自分たちの基本的な立場及びそれを支持する主要な論点を提示する。
2.反駁…相手の議論に反論する。
3.まとめスピーチ…主要な争点を踏まえ、自分たちが勝っている理由を説明する。
4.反対尋問…立論の直後に、お互いに質疑を応答する。
フローシート(ディベートの議論の流れをメモする用紙)の考え方と書き方を習い、本日の論題「国、埼玉県は上尾道路を早期に全面開通させるべきである。是か非か」について、ミニディベートを4人ごとのチームに分かれおこなう。
相手の主張を正確に理解し、その信憑性を根拠の評価をもとに的確に判断し、その主張がもたらす影響や効果を推し量るという、ディベートにおける思考は、普段の生活においても何気なくおこなっています。しかし、ディベートの実践を通して意識することにより、自分の頭で考えて判断するというリーダーとして必要な能力・スキルを効果的に学ぶことができます。
実際にミニディベートをおこなうことにより、考える力、聴く力、伝える力、情報の収集活用能力の必要性を痛感、また、自分では気付かない視点を発見することができました。
初めてのディベートでしたが、とても勉強になり貴重な体験となりました。
誠にありがとうございました。