【伴走型小規模事業者支援推進事業】需要動向調査報告書(H29年度)
小規模事業者支援法に基づく商工会及び商工会議所が作成する経営発達支援計画の認定
平成26年6月、商工会および商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(平成5年法律第51号。以下「小規模事業者支援法」という。)の一部が改正されました。
小規模事業者の事業の持続的発展を支援するために、商工会及び商工会議所が小規模事業者による事業計画の作成及びその着実な実施を支援することや、
地域活性化にもつながる展示会の開催等の面的な取組を促進するため、商工会及び商工会議所が作成する支援計画のうち、小規模事業者の技術の向上、
新たな事業の分野の開拓その他の小規模事業者の経営の発達に特に資するものについての計画を経済産業大臣が認定する制度が始まりました。
上尾商工会議所は申請を行い、平成28年4月に認定商工会議所となっております。
経営発達支援計画の遂行にあたっては「伴走型小規模事業者支援推進事業」として、地域の活性化、中小商業の再活性化等といった様々な施策を実施しています。
※より詳しい内容については、中小企業庁ホームページに記載されておりますのでご参照ください。
※その他商工会、商工会議所の採択済経営発達支援計画一覧はこちらです。
当所における経営発達支援事業の目標
上尾市は、都心から近距離に位置し、交通の利便性、首都圏という大消費地に位置していること、災害の少なさなど産業の立地条件としての優位性が強みである。
この立地条件から、昭和40年代より団地や住宅地の開発が積極的に行われ、人口が急増し多くの商店街の形成や大型店の出店が相次ぎ、
現在では市内総生産 550,718 百万円(県内 7位)まで成長してきた。
特に第3次産業は、事業所が約80%(内55%が小規模事業者)、市内総生産72.7%、従業員数では約70%を占めている都市型産業地域である。
一方で、住宅都市として人口全体は今後も緩やかながら増加しているものの、生産年齢人口の減少による65歳以上の比率が今後5年で
6.3ポイント高くなることが推測されている。
事業主の高齢化も進み後継者不足による廃業が目立ち、平成21年から平成24年の3年間における産業分類別事業所数比率で5ポイント減少している。
そのため、後継者育成・事業承継問題は喫緊の課題である。
[ 市場情報評価ナビ(MieNa)『MieNa's Maps47} より ]
上述のような地域の強みや課題を踏まえ、上尾商工会議所は、小規模事業者の持続的発展を支援するため、上尾市、地域金融機関、 埼玉県よろず支援拠点、中小企業基盤整備機構、その他支援機関と連携し、地域内における小規模事業者を面的に支援する体制を構築し、 そのハブとして中心的な役割を果たす。
特に後継者育成・事業承継事業を最重要事業とし、「平成31年度事業所数減少ポイント0(ゼロ)」とすることを目標に掲げ、 小規模事業者が中長期的な事業承継を見据えた事業計画を作成・実行するために伴走型の支援を行う。
また、総務省平成25年度情報白書によると、高齢者のインターネット利用率が60~64歳までが71.8%、65~69歳までが62.7%と 高齢者のIT利用率が増加しており、今後も増加傾向が見込まれる。
しかし小規模企業は「人・物・金」が不足しておりIT活用が進んでおらず、ITを活用したサービス提供がなされていない現状にある。
そこでITコーディネーターと連携し、対象事業者の価値ある財産(知的資産)についてITを活用した可視化を行うために、 導入計画の策定・実施に係る伴走型の指導・助言を行う。知的資産=目に見えにくい経営資源を“見える化”(可視化)することで事業承継だけではなく、 お客様にもそのお店の技術やノウハウなど映像や画像を活用しわかり易く提供することで、顧客との関係強化、販売促進につながりお客様にとって優しい店舗となりえる。
そこで平成31年度までに「ITによる高齢者に優しい小規模30店舗」を開設することを目標とする。
平成29年度 需要動向調査報告書
1. 趣旨目的
2. 支援方法・目的
3. 需要動向調査実施
4. 需要動向調査総括
5. アンケート内容
6. 需要動向調査効果(アウトカム)報告
1. 趣旨目的
上尾商工会議所は、小規模事業者に対し、中長期的な事業承継を見据えた事業計画を作成・実行するために伴走型支援を行っているが、
その一環として事業計画策定支援先が顧客を対象に実施する需要動向調査において、調査項目の精査などアンケート様式の設計・カスタマイズ支援や
回収後の整理分析を行うことを目的とする。
併せて、アンケート結果・店頭観察等に基づき、支援先に対し適切な提案・助言を行う。
2. 支援方法・目的
支援方法
事業計画策定支援先10事業所の店頭において、来店客を対象にニーズを調査(アンケート形式で期間は1ケ月間、回収目標は来店者数の80%以上)の支援を行う。
支援内容については支援先企業に適した調査項目(「当店を選んだ理由」、「購入したいもの・したくないもの」、「今後商品構成に入れてもらいたい商品・サービス」等)
を精査するなど、アンケート様式のカスタマイズ支援や、回収したアンケートの整理・分析を行い、結果を提供する。
提供した調査結果については、「事業計画策定し支援」の基礎資料として活用することや「新たな需要の開拓に寄与する事業に関すること」における
販路開拓支援を実施していくうえでの事前準備資料として活用する。
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分析参考資料
「市場情報評価ナビ(MieNa)』を活用
>>市場情報評価ナビ『MieNa』の活用についての詳細はこちら
[ 市場情報評価ナビ(MieNa)より ]
(↑クリックすると拡大します)
【年代別人口の将来推移】
[ 市場情報評価ナビ(MieNa)より ]
(↑クリックすると拡大します)
支援目的
事業計画策定支援先を対象に提供する商品やサービスについて、その顧客である消費者に対し需要動向を調査し比較することで、
自社の商品・サービスが「消費者ニーズとマッチしているのか」「マッチしているのであれば、その商品は利益が取れる商品・サービスなのか」等分析し、
顧客ニーズを洗い出すことを目時に事業を実施する。
また、今後自社で需要動向調査を実施できるよう、アンケート設計時のポイントや分析・集計方法についてのノウハウを伝える時間(2日間で計5時間)を
設けた。
3. 需要動向調査実施
各事業所の顧客の容態に合わせ、アンケート様式を5つのパターンに分け実施した。
(飲食店:2 サービス業:3 小売業:6 福祉施設:1)
事業所 | 業 種 | アンケート内容 |
---|---|---|
A社 |
飲食業 | |
B社 |
洋菓子製造販売業 | |
C社 |
酒類小売行、飲食業 | |
D社 |
小売業 | |
E社 |
飲食業 | |
F社 |
旅行業 | |
G社 |
飲食業 | |
H社 |
飲食業、サービス業 | |
I社 |
小売業 | |
J社 |
サービス業 |
4. 需要動向調査総括
①本事業に対する事業所の対応(理解と協力度など)
事業所名 | 業種 | 需要動向調査実施評価 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
事業 理解度 |
代表者 想い |
取組 状況 |
回収 状況 |
次年度 取組 |
総合 評価 |
||
A社 |
飲食業 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
B社 |
洋菓子 製造販売業 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
C社 |
酒類小売業 飲食業 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
△ |
〇 |
d社 |
小売業 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
E社 |
飲食業 |
〇 |
△ |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
F社 |
旅行業 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
G社 |
飲食業 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
H社 |
飲食業 サービス業 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
I社 |
小売業 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
J社 |
サービス業 |
〇 |
〇 |
〇 |
× |
〇 |
〇 |
②新たな需要の開拓に寄与する事業
自社の強みである商品やサービス情報をより効率的に消費者にPRし続けなければ消費者には届かない。
そこで、新たな需要の開拓に寄与するため、「プレスリリース配信・掲載サービス」(みんなのPR)を活用し、
埼玉県内の各メディア(報道会社・雑誌社)に対し情報発信を行う。
上記情報サービスの特徴は、ITの専門的な知識や各種メディアの担当者を知らなくても、
いつでも気軽に自社の商品やサービスなどの情報を無制限にプレスリリースすることが可能。
事業所の商品・サービスを消費者に届ける機会を創出し、販路拡大・経営力強化に繋げていく。
※『みんなのPR』とは?
地域に特化した、消費者にとって価値あるおトクな最新商品・キャンペーン・お出かけ情報などを配信する情報ポータルサイト。
登録情報は「プレスリリース」として各メディアに配信され、おのおののメディアでサービス内容が配信される。
※『みんなのPR』は、2018年3月30日にサービスが終了しています。
③事業所代表の需要動向調査の感想
>>「需要動向調査効果(アウトカム)報告」をご参照ください。