2011/12/13(火)【2011年11月講座】藤原昭広氏 『危機の時代のリーダーシップ~「情報」を「知恵」に変え、「お金」に変える法~』
【場所】上尾商工会議所 大会議室
【講師】(株)プレジデント社
代表取締役 藤原 昭広氏
【テーマ】危機の時代のリーダーシップ
「情報」を「知恵」に変え、「お金」に変える法
【記録者】エウラトラベル 江浦 聖司
今回の講師は、株式会社プレジデント社代表取締役社長 藤原昭広氏です。
藤原昭広氏
星野副会頭あいさつ
現在、出版産業においてインターネットの普及によりノンペーパー時代の向かい風の中、市販部数を大幅増部させた成功の秘訣をお話しして頂きました。
出版産業のマーケットが10年前には2億部だったのが、現在には1億部にまで激減している。その中、危機の時代のリーダーシップをどうするか。
�49対51の法則
49は負け組、51は勝ち組、その差はたった2でしかない。
同じ物を売っていっぱい売って来る営業マンと売って来ない営業マンの違い、それが2である。
ある企業を例にあげると、その自動車会社は新社長が就任する前、営業マンから「技術者が自己満足の商品を作っているから売れない」と、技術者からは「営業マンが、こんなに良い商品なのに一生懸命売らないからだ」と声が上がっていた。
工場内にゴミが落ちていると社員は、清掃係りが掃除をするのだから任せればいいと考えていた。
同じ業界の別の自動車会社では、工場内にゴミが落ちていると社員が率先して拾う、それどころか、このゴミはどこから来るのか原因を究明し出来るだけゴミを散らかさない様に努力する。人任せにしては、ダメである。
それと同じ様に「なぜ売れないのか」「売れる様にはどうすればよいのか」を営業と技術者が一丸となり原因究明していた。
新社長就任後、同じ取組を行う事により前述の自動車会社の業績は伸びていった。
◎原因究明が大事である。
プレジデントの場合、販売ルートは都心部では駅の売店で販売していたが、郊外では書店にて販売していた。
その為、郊外でも駅の売店で販売を提案してが、やはり郊外の書店は大事なお得意先であり、そこの売上を落とす訳にはいかないと販売本部長とのぶつかりがありました。
ところが、書店の売上は減らず、郊外の駅で売った分が販売部数の増部につながった。
次にコンビニでも販売を提案したが、やはり販売本部長と激突。
しかし、コンビニで販売する事により書店の売上が減ると思ったが、その逆で特集記事によっては書店の売上も増えた。
コンビニに置く事で多くの人に見てもらえる。
コンビニはメディアである。
◎過去の常識は未来の物差しにはならない。
�目的と手段の法則
販売本部長の目的は読者に買って貰うのではなく、書店にて販売するのが目的になってしまっていた。書店にて販売するのは手段である。
とある大手スーパーでは、「良いものをより安く」と消費者の為の商売を売りにしていた。しかし、賞味期限切れの生鮮食料品が並んでいたため、プレジデントに記事を掲載したところ、スーパーの広報部長がアポ無しで訪れて来た。
当然、苦情と思いきや社長からの手紙を持ってきました。
内容は「どうも有難う、私は就任以来、売り場改革に日々頑張ってきました。でも残念ながら指摘されるまで、一番肝心な生鮮食料品の賞味期限切れに気付きませんでした。社内からは、誰からも報告がありませんでした。今後、全売り場をチェックして、二度とこの様な事が無い様にします。」でした。
しかし、その後スーパーで働く店員から匿名で電話が来ました。
「有難う御座いました。賞味期限切れ生鮮食料品の陳列は私達も気付いていました。店長ももちろん気付いていました。その事を言っても店長は、何の対策もしてもらえませんでした。今度の事によりやっと動きがありました。
しかし、私は辞めたいと思います。」との内容でした。
店長は「誰だ、私の許可なくプレジデントの記者を売り場に案内したのは!今後、私の許可なくメディアの人間を案内してはならぬ!」と犯人捜しをしたのでした。
本部からのチェックの時だけチャンとするが、それ以外の時はどうでも良いと言う内容でした。
同じ内容で多店舗の店員からも電話が来ました。
お客様へ良い商品を提供する目的から、チェック体制をどうくぐり抜けるかと目的がすり替わってしまったのです。
◎目的を正しく設定しないと手段が決まらない。
�カマスの法則
大きな水槽に100匹のカマスを入れて餌を与えると当然、餌に喰い付く。
水槽の真ん中にアクリル板を入れ、片方へカマスを寄せる。そして、カマスの居ない方へ餌を入れると餌を目がけてアクリル板に激突しながら食べよとする。
それを繰り返すとカマスは、餌を入れても餌に見向きもせずに諦めカマスばかりになる。すると、アクリル板を取ってもカマスは餌に喰い付かない。
そこへ別のカマスを一匹入れると、そのカマスは元気よく喰い付く。すると、それを見ていた諦めカマスは、喰い付き始める。
危機の時代のリーダーシップ、その本質はここに有ります。
リーダー自身が元気カマスである事です。
自分で自分の壁を作らない事です。
会社内に、最低でも一匹は元気カマスが居られる環境、組織作りをすることです。
このことが、「情報」を「知恵」に変え、「お金」に変える法です。皆さんの中から一匹でも多くの元気カマスが出ることを期待します。
と、講演を頂きました。
講演の後、グループディスカッションを行いました。
「自分の良い所と悪い所」を議題に班ごとで話し合い発表し、十人十色、人それぞれの意見が聞けてとても良い参考になりました。
私は、前期の聚正義塾から参加しております。
このグループディスカッションは毎回、抽象的な議題で皆さん議論に苦労しますが、脱線する時もあり、人の見かた考え方の違いが感じ取られて大変参考になり面白く思います。
聚正義塾終了後、1班では参加出来る人達で親睦をはかり一杯飲みに行きました。
聚正義塾へ興味のある方は、私達と一緒に未来へ向け学び親睦をはかりに来ませんか。