2012/01/13(金)【2011年12月講座】石 平氏 『中国の経済・政治情勢と今後の行方」

【日時】平成23年12月15日(木)18:00~
【場所】上尾商工会議所 大会議室
【講師】中国評論家 石 平氏
【テーマ】中国の経済・政治情勢と今後の行方
【記録者】(株)上尾グリーンガーデン  仁科 安仁古

平成23年12月15日(木)、12月講座が開催されました。

細野宏道 中小企業振興委員会・委員長あいさつ 
聚正義塾2011年12月-1
今回の講師は中国評論家 石平氏です。
聚正義塾2011年12月-2

中国経済の高度成長を引っ張ってきた原動力は「二台の馬車」と呼ばれ、その二台の馬車とは「投資」と「輸出」であるという興味深いお話を学ばせて戴きました。

聚正義塾2011年12月-3

◆投資
特に中国の場合は政府の力が強いので、政府による財政出動で投資による拡大をする。固定資産投資、又は、工場・鉄道・空港を作ったり、あるいは不動産を作ったりと、とにかく建物を作りそれを壊す。それが投資になり経済成長率になる。

このような投資を繰り返して成長率を10%前後の成長率を保ってきたが、今、不動産バブルは崩壊を始めたのである。北京市内の不動産価格は5割近く下落をしてきている。

こうなったのは中国政府がいきなり金融引き締め政策を行い不動産株が下落を始めたからである。
金融引き締めの最大の理由は、市場に溢れた余剰資金を回収して出回っているお金の量を減らし進行中のインフレを食い止める為である。インフレによってもの凄い勢いで物価が上がっており貧富の格差が拡大し暴動につながりかねないからである。

金融引き締めによって今度は副作用を起こしている。中国の中小企業の倒産ラッシュだ。夜逃げも多く、これは別な意味での社会不安を起こしているのである。
今は金融引き締めを少しずつ緩和して不動産業倒産を防いでいる。

◆輸出
経済成長の原動力のもう1つが輸出拡大である。
中国の国民の個人消費は常に慢性的不振である。個人消費率が日本60%に対して中国は37%と異常な数字だ。

内需が不足した分は全部輸出で補った。
アメリカや日本が中国の物をどんどん買う事が成長につながった。結局それは輸出頼りの成長戦略で、しかし付加価値の低いものしか輸出できない。値段を安くする為に賃金を低く設定する。だから内需が常に不振である。輸出する為に賃金を下げた。悪循環である。

このように中国は経済成長を引っ張ってきた「二台の馬車」が崩れはじめてきている。

以上のように普段、知り得ない貴重なお話を拝聴することが出来ました。
ありがとうございました。
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