2012/06/12(火)【2012年5月講座】吉田明氏「スポーツチームのリーダーシップから学ぶ」
[場所] 上尾商工会議所 大会議室
[講師] 上尾メディックス 監督 吉田 敏明 氏
[テーマ] スポーツチームのリーダーシップから学ぶ
[記録者] スリーケ(株) 佐藤 浩之
5月講座は、プロバレーボールチーム[上尾メディックス]監督・吉田敏明氏より「スポーツチームのリーダーシップから学ぶ」をテーマにお話をいただきました。
私も学生の頃はスポーツにずっと携わってきましたし、現在は性別も年齢も性格も異なる人達と共に仕事をしております。
そうした背景から、プロスポーツチームの監督がどの様にチームをまとめ、問題を解決しているのだろうか、と非常に興味深く講演を聞かせていただきました。
吉田氏は2000年にバレーボール米国女子代表監督に就任。世界選手権や五輪も経験されていらっしゃいます。チームの監督としてのご経験や、現在の活動をもとにお話をいただきました。
冒頭、吉田氏より「一人、二人のモチベーションの低下で結果が出ないという事は本当にある事です。」とのお言葉がありました。
また、「進むも地獄、引くも地獄で乾坤一擲(けんこんいってき)打って出る以外にない。(石原慎太郎)」という言葉もご紹介いただきました。
「昔、米国女子代表アシスタントコーチを務めていた時代、敗戦濃厚な試合の中、負ければ責任問題になるのを覚悟で監督に直訴しはじめて指揮を任され、見事に逆転勝利に導いた事があった」と懐かしそうに語られていたのが印象的でした。
「勝負の世界にいる者でなければここまでのリスクを背負う必要はないと思いますが」とのお話に、当時のご経験の厳しさ・重圧を感じることが出来ました。
「挫折と失敗が人生の財産(新藤兼人 映画監督)」
という言葉もご紹介いただきました。「負けをどう次に生かしていくか」が大切なのだとことだそうです。
「監督の仕事とは、決断、実行する事。
選手編成、スターティングラインナップの決定、また、どの様な戦術でどの様な練習をするのかなど、決断、実行の繰り返し」
また「決断に迷った時にはベースにもどる。何がPriority(優先)なのかをベースにする。プロチームは勝つ事がベースミッションで勝つ為の解決策を探す、生み出すのも監督の仕事。監督は状況に応じてリーダーシップのスタイルを変える必要もある。」とリーダーシップのあり方についての言葉も大変参考になりました。
障害となる阻害因子への対応(ディストラクションマネージメント)や、高い期待、成功への期待、敗北への心配などによるストレスへの対応(プレッシャーマネージメント)には常に気を使っていらっしゃるとの事でした。
選手編成の際も「一人の選手を使うという事は使わない選手もいるという事。使ってもらえない選手は間違いなく私の事が嫌いでしょう。使わないストレスというものも常に監督にはあります」との言葉に、監督業の厳しさを感じました。
終始、にこやかな表情でお話いただきましたが、非常に厳しい立場で常にプレッシャーと戦っておられる様子や、組織をまとめていく難しさを感じとる事ができたご講演でした。
[講演終了後のディスカッション]
今回のディスカッションは「私達が上尾メディックスのために出来る事」というテーマで話し合いがすすめられました。
○メディックスの試合を観戦しに行く。
○上尾メディックスの知名度を上げる為にポスターやステッカーを使い宣伝していく。
また、駅前にチームの旗などをさして雰囲気を盛り上げる。
○祭りなどの行事で地元市民と触れ合える機会をもうける。
など、様々な意見がでました。
一人一人の力は微力ですが小さな積み重ねが後に大きな力を生む事を信じ、上尾メディックスを今後も応援していきたいと思います。